マイクロボトックスとは?皮脂や毛穴への作用と通常のボトックスとの違い
マイクロボトックス(スキンボトックス)は肌の浅い層へ細かく注入する治療です。皮脂や毛穴、小じわへの研究、筋肉への注射との違い、料金、表情への影響と注意点を解説します。
マイクロボトックスは、ボツリヌストキシン製剤を肌の浅い層へ細かく注入し、皮脂や毛穴の見え方、小じわなどの変化を目指す治療です。 スキンボトックスと呼ばれることもあります。 エラや眉間の筋肉に注射する施術と同じ種類の成分を使いますが、注入する場所と目的が異なります。 名前に「マイクロ」とあっても、効果や副作用が小さいと決まっているわけではありません。
※効果には個人差があります。 当院のメニューへの導線はマイクロボトックスの案内をご利用ください。 製剤名、注入範囲、量は診察で確認します。
通常のボトックスと何が違うのか
筋肉への注入と肌の浅い層への注入
ボツリヌストキシンは、神経の末端から信号を伝える物質が放出されるのを抑える薬剤です。 エラの治療では噛む筋肉である咬筋に作用させ、筋肉の張りを和らげます。 眉間などの表情じわでは、そのしわに関わる筋肉の動きが治療の対象になります。
マイクロボトックスでは、皮膚の浅い層に少量ずつ分けて注入します。 皮内注射と呼ばれる方法で、肌表面の状態への作用を検討します。 神経の伝達を抑える薬剤でも、汗と皮脂は同じものではなく、皮脂や毛穴への作用の仕組みには研究が続いている部分があります。 通常のボトックスで筋肉の動きが弱まることから、そのまま「どの毛穴にも効く」とは判断できません。
名称が同じでも治療条件はそろっていない
「マイクロボトックス」や「スキンボトックス」は、特定の一製品だけを指す名前ではありません。 使用する製剤、薄め方、注入する部位、総単位数は医療機関や治療内容によって異なります。 同じ顔全体のメニューでも、額や頬などのどこまで含むのかを確認する必要があります。
液体の量と、薬剤の作用を表す単位数も別です。 薄めた液量が多いことを、薬剤を多く使ったことと同じには扱えません。 製品ごとの単位を一律に換算して比較することもできないため、製剤名と総単位数を組にして説明を受けます。
皮脂と毛穴に関する研究でわかっていること
皮脂の多さと毛穴の目立ちを対象にした20人の比較研究では、片方の頬にボツリヌストキシン、もう片方に生理食塩水を注射して評価しています。 1か月後の評価では両側で皮脂と毛穴のスコアが変化し、薬剤を使った側でより大きな改善が報告されました。 ただし、少人数の予備的な研究です。 対象者や注入方法が限られるため、すべての肌質や製剤に同じ結果が当てはまるとは限りません。 詳しくは皮脂と毛穴を対象にした比較研究を参照してください。
別の20人の研究でも皮脂や毛穴の変化が報告されていますが、研究者は追加の定量的な検討が必要としています。 小規模な研究があることと、誰にどれほどの効果が続くかが確定していることは別です。 写真で肌が滑らかに見えても、照明や撮影条件が違えば比較はできません。 施術の説明を受ける際は、どの悩みを評価し、いつ再診するかを確認してください。
向く可能性のある悩みと別の評価が必要な悩み
皮脂によるテカリや、皮脂とともに目立つ毛穴が気になる場合は、肌の状態を確認したうえで相談する選択肢になります。 ただし、乾燥で表面が荒れている場合、炎症がある場合、皮脂以外の要素が強い場合は、同じ治療を一律に行う理由にはなりません。 普段の洗顔、保湿、使用中の化粧品や治療薬も診察で伝えます。
毛穴と呼んでいる悩みの中には、黒ずみ、角栓、ニキビ痕のくぼみが混ざっていることがあります。 マイクロボトックスは、角栓を取り除いたり、へこんだ痕に体積を補ったりする治療ではありません。 赤く腫れたニキビや湿疹があるときは、その皮膚症状の診療を優先する場合があります。 「毛穴」という言葉だけで施術を決めず、気になる部分を鏡で示して相談します。
深い溝やエラの張りとの違い
ほうれい線などの立体的なくぼみには、ヒアルロン酸注入を検討する場合があります。 ヒアルロン酸は体積を補う治療で、肌表面を対象とするマイクロボトックスとは役割が異なります。 腫れや血管閉塞など固有のリスクもあるため、単純に置き換えたり組み合わせたりせず、ほうれい線の原因と注入判断を踏まえて相談します。
エラの筋肉が発達して横幅が気になる場合は、小顔目的のエラボトックスが別の検討対象になります。 マイクロボトックスを顔全体に受けても、咬筋への治療と同じ輪郭変化が起こるとは限りません。 肌の質感と輪郭のどちらを優先したいかを伝えると、施術の目的を整理できます。
施術前の診察と当日の流れ
診察では、気になる部位に加えて、乾燥や肌荒れの有無、笑うときの口元や目元の動きを確認します。 日常の表情を保ちたい部位や、以前の注射で動かしにくくなった経験があれば伝えてください。 他院の施術も含めて、最後にボツリヌストキシン製剤を受けた日と部位を共有します。 顔以外の治療も確認が必要です。
当日は注入範囲を確認し、消毒後に細い針で薬剤を細かく注入します。 針を刺す回数が多くなるため、痛みの感じ方には個人差があります。 冷却や麻酔を使うか、追加料金があるかは事前に確認します。 施術後は出血や腫れを確認し、帰宅後の注意点と相談先の説明を受けます。
必要な滞在時間は、施術範囲や麻酔の有無で変わります。 通常のボトックスの短い施術時間を、顔全体への細かな注入にもそのまま当てはめないでください。 当日の予定が決まっている場合は、受付時に所要時間を確認します。
ダウンタイムと表情への影響
針を刺した部分に赤み、小さなふくらみ、内出血、痛みが生じる場合があります。 見た目に跡が残らないとは限らないため、人前に出る予定の直前は避けるか、診察で時期を相談します。 メイクや洗顔の再開は、注射部位の状態と医師の指示に従ってください。
薬剤が周囲の筋肉にも作用すると、笑いにくさ、口元の左右差、まぶたの重さなどが出る場合があります。 浅い層への注入であっても、このリスクがなくなるわけではありません。 注射した場所を強く揉まず、表情の変化が気になるときは施術した医療機関に連絡します。 飲み込みにくさ、息苦しさ、全身の脱力などが出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。
当日は飲酒、激しい運動、長時間の入浴を控えるよう当院で案内しています。 強いマッサージや他の美容施術の再開時期も確認します。 赤みや腫れが増す場合は、予定した再診日を待たず相談してください。
効果の確認と次回の施術時期
テカリや毛穴の見え方は、季節や肌の手入れでも変わります。 施術前後で使う化粧品や撮影条件が大きく変わると、何による変化か判断しにくくなります。 診察で決めた時期に肌の状態を確認し、変化した悩みと残った悩みを分けて伝えます。
通常のボトックスの作用期間を、マイクロボトックスの毛穴や皮脂への持続期間として、そのまま使うことはできません。 当院の公開データでも、マイクロボトックスだけに共通する持続期間は示していません。 使用する製剤や範囲、前回の反応をもとに、再診時期と追加の必要性を相談してください。 変化が乏しくても、自分で量の増加や短い間隔での追加を決めないようにします。
スキンボトックスの料金
当院では自由診療のスキンボトックスとして、部位と製剤別に料金を案内しています。 顔全体の公開料金は、2026年9月6日時点で次のとおりです。
| 製剤 | 表示されている部位と量 | 税抜料金(税込料金) |
|---|---|---|
| 韓国製 | 顔全体40単位 | 38,000円(税込41,800円) |
| コアトックス | 顔全体40単位 | 45,000円(税込49,500円) |
| アラガン社製 | 顔全体40単位 | 58,000円(税込63,800円) |
表の単位数は各メニューの表示で、誰にでも同じ量を推奨するものではありません。 施術カードにある5,000円(税込5,500円)からというボトックス全般の開始価格を、顔全体の料金と混同しないでください。 顔全体に含む範囲や部位別の価格はボトックスの料金表で確認し、麻酔などを含む総額の説明を受けます。
治療を受ける前に確認したい条件
妊娠中、授乳中、妊娠の可能性がある方、神経と筋肉の働きに関わる病気がある方、製剤でアレルギーを起こした方などは、治療を受けられない場合があります。 薬剤との相互作用もあるため、お薬手帳を持参し、使用中の薬を自己判断で中止しないでください。
皮脂や毛穴を目的に皮内へ注射する使い方は、国内承認のあるボトックスビスタの承認適応には含まれていません。 製剤自体の国内承認と、今回の使用目的の承認は分けて確認します。 未承認の製剤や承認範囲外の使用については、入手経路、国内承認薬の有無、海外の安全性情報、救済制度の対象となるかの説明を受けてください。 肌の診察と説明を受けたうえで、治療を受けるか、ほかの肌治療を先に検討するかを決めます。
参考文献・出典
本記事は以下の公表資料を参照し、当院の診療経験を踏まえて医師が監修しています。
よくある質問
Q. マイクロボトックスとスキンボトックスは同じですか?
肌の浅い層に少量ずつ注入する治療を指して、両方の名称が使われます。ただし製剤や量、注入範囲は医療機関によって異なるため、名称だけで同じ施術と判断しないでください。
Q. 毛穴はなくなりますか?
毛穴をなくす治療ではありません。皮脂や毛穴の見え方の変化を検討する施術で、凹んだニキビ痕や深い溝を埋めるものでもありません。効果には個人差があります。
Q. エラボトックスの代わりに受けられますか?
目的が異なります。エラボトックスは咬筋の働きを抑え、筋肉による張りを対象にします。マイクロボトックスは肌の浅い層を対象にするため、同じ小顔効果は期待できません。
Q. 表情が動きにくくなることはありますか?
あります。浅い注入でも周囲の筋肉へ作用すると、笑いにくさや左右差、まぶたの重さなどが生じる場合があります。部位と量の判断、施術後の経過確認が必要です。
この記事で紹介した施術
ボトックス
筋肉の動きに関わるしわや輪郭の悩みに応じて検討される注入施術です。
通常 5,000円(税込5,500円)
※ 上記施術のうち「ボトックス」は、医薬品医療機器等法上の承認を受けていない国内未承認の医療機器・医薬品を用いた自由診療です。主要な欧米各国で承認されていないものは、安全性等に係る情報が不足しており、重大なリスクが明らかになっていない可能性があります。また、万一健康被害が生じた場合でも、医薬品副作用被害救済制度等の国の救済制度の対象外となります。入手経路・国内承認品の有無・海外の安全性情報などの詳細は、各施術ページの説明またはカウンセリング時にご確認いただけます。
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